久しぶりに
ティンコロリン地方はここしばらく晴天が続き、暖かな日が多くなってきました。
車を走らせるとあちこちに桜が咲いているのに、今年はのんびり桜を見ることもできないまま
散ってしまいそうです
運転しながらきれいだな~と見てはいるものの、あらためてお花見をする気分にもなれないjasmineです。
震災直後に一瞬だけ携帯が通じて両親の安否が確認でき、ホッとしたjasmineですが
その後、ガス、水道、電気、電話、携帯、等のすべてのライフラインが断たれてしまい
連絡が取れない状態になっていた所、3月11日の地震から2日後の3月13日に
心臓の悪い母が吸水の行列に並んでいる最中に倒れてしまい、側に居合わせた方々が
救急車を呼んではみたもののまったく電話が通じず、私への電話連絡も通じないまま
母を病院へ担ぎ込んでくださり、そのまま緊急入院して早1ヶ月
ひとりきりでは何もできない父親のめんどうをみるため震災にあった自宅を放棄し
1ヶ月にわたりひとり実家に泊り込んでいたjasmineです
(その間相方君は炊き出しに出て、職場に泊まり込んでいました)
そんな母も危機を脱し、ありがたいことに無事に退院することができました。
それでも自宅で安静に過ごさなければならない状態ですが、春めいてきた気候のせいか
だいぶ体調もよさそうなので、久しぶりに両親とティンコロリンを連れ、近くのお店に
ランチにやってきました。
以前ならランチタイムともなれば席が空くのを待っていることもしばしばあったお店ですが
やはり震災のせいか、ガラ~ンとして、人もまばら、ワンコ連れの人もjasmineを入れても
3組だけでした
周りにワラワラとワンコが居るのが好きではないティンコロリンにとっては居心地がいいみたいで
終始ご機嫌なティンコロリンでした
ティンコロリンもお外に出るのは久しぶりだったので嬉しかったのね~ きっと
いつもならただ座っているだけのティンコロリンなのですが、今日は椅子の手すりに両手をかけ
後ろ足だけで立ち続けるティンコロリンです。
へんなの・・・!?
お店はまだ軌道に乗っていないのか、ランチタイムのメニューは3種類のみでした
ティンコロリンのバーバとjasmineはパスタを頂きました。
ティンコロリンのジージはジャガイモゴロゴロカレーを注文したのですが
本当にジャガイモが丸々ゴロゴロと入っていたので笑ってしまいました。
ジージはフォークでジャガイモを半分にしようと苦戦し、結局ナイフとフォークを使って
カレーを食べていました(笑)
震災後家にいることが多かったjasmineですが、こうやってたまに外に出るといい気晴らしになります。
と言っても、この震災で無職になってしまったjasmineは先のことを考えると不安がぬぐいきれません。
jasmineが働いていた会社があった近辺は現在 ↓ こんな感じです
会社は海岸から3キロ地点にあるこの場所で規模を縮小して(身内だけで)再び仕事を再開しようとしていますが
jasmineは、恐くて未だにこの土地に足が向きません。
見に行くことも恐怖でできません。
両親も、相方君も、収入がなくなるのは困るけど、あそこで働くのだけはやめて欲しいと言います。
余震がいつまでも続く毎日で、今度また津波がきたら助からないかもしれない
せっかく助かった命だから会社なんかのために今更命を危険にさらす必要はないと言います。
3月11日の地震は今考えても恐怖がよぎるjasmineです。
地震の数日前から小さな地震が起きる頻度が増しているな~と思っていたjasmineですが
11日は、会社の雑品を買出しに行き、オフィスに戻ってのんびりすごしていたjasmineでした
その時突然聞いたことも無いような、悪魔が地下から命を奪いに繰るような強い地響きのようなものが、遠くから足元に迫ってきたかと思うと、想像もつかないような強く長い地震に襲われました。
宮城県沖地震を体験したことがあるjasmineは普段から地震に対する恐怖心は人一倍強いほうかもしれません
揺れ始めた瞬間に、このままデスクに座っていては危険!!と
とっさに判断し、すべての貴重品がバッグに入っているのと
一番大切な車のキーが入っているので確保しなくちゃという気持ちが働き
側に置いてあったバッグをすぐさま手に取り肩にかつぎ、入り口に向かって飛び出しました
マニュアルどうりに行動するならば、バッグ等は持たずに直ぐに身の安全を確保して・・・
となるのでしょうが、その通りにしていたら車のキーを見失い、直ぐに逃げることができず
今頃jasmineの命は無かったと思います。
jasmineのオフィスは2階にあったので、直ぐに1階の広い場所に飛び出したかったのですが
あまりにも強い揺れに身動きが取れず、入り口のドアにつかまり
右足はオフィスに、左足は階段の踊り場にまたがり、もし建物が崩れたら
どちらにでも飛び移れる場所にいようと判断し、揺れが少しでもおさまったら
直ぐに1階に降りられる体制をとりました。
所が、そんなjasmineの背後に社長の奥さんがやって来て、jasmineの名前をわめき散らし
jasmineの背中にしがみついてきました。
これで、まったく身動きが取れなくなってしまったjasmine
それどころか、長く揺れ続ける中、両手でドアにしがみついている自分ひとりの体だけでも振り落とされそうになるのに
右手でドアにしがみつき、左手で背中に居る社長の奥さんを抑え、おんぶするような支え方をしたので
ふたり分の体をjasmineの右手一本では支えきれなくなり、転びそうになるjasmine!!(T_T)
でも、転んだらアウト! 真さかさまに1階へ階段を転げ落ちてしまう!!
それにしても長い!長い!
いつもならもうとっくに揺れがおさまる頃だろうに、今回のはおさまりそうに無い(@_@;)
揺れが永遠に続きそうな気分になるほど続いたような気がしました。
2階から見える前方の家では瓦の屋根が、土ぼこりをもうもうと上げながら崩れ落ちていきます
下の駐車場に停まっている大型トラックが揺れでどんどん後退し、建物に何度もぶつかっている
これはヤバイ!ヤバイ!尋常じゃない!
目の前でいろんなものが崩れ落ち壊れていく!
背後で社長の奥さんが!ギャーギャー大声で騒いでいる
「恐い~ ひぃ~ 恐いよ~ jasmineどうしよう~ うわ~ うわ~」
普段からうるさいばあさんだと思っていたけど、こんな時に数倍うるさくなっている(ーー;)
おもわずjasmineの口から出た言葉は
『だまれ! ぎゃーぎゃーわめかない!! 少し黙って!! うるさい!! 』だった
地震のさなかでありながらちょっとスッキリした!
怒鳴りつける事で、自分の恐怖心にも活を入れた感じだった
それからしばらくして少し揺れがおさまった頃、パソコンの電源を切ろうと
後ろを振り向くと、しがみつくことだけで精一杯でまったく気が付かなかったんだけど
オフィスの中のすべてのものが倒れ、足の踏み場も無いような状況になっていた(゜o゜)
あのままデスクに座っていたら今頃書類棚の下敷きになり命が無かったかも~(>_<)
いろんな物の上を乗り越えて自分のデスクにたどり着くと、デスク上のパソコンが無くなっていた(◎o◎)
ゴチャゴチャの中、下を見ると自分の私物が少しだけ見えたので急いで掘り出して
直ぐに1階に下りると、上を見上げていた社長が
「直ぐに帰れ!」と言うので、社長の奥さんに、『そう言われたので帰ります』と言うと
「ふ~ん」と不服そうな顔つきで、このまま会社に残って社内を片付けさせようという顔つきがありあり
この時社長が社内に居てよかった~
いつものように留守で、社長の奥さんだけだったら、きっと帰ることができずに社内にとどまり
津波に流されていたことだろう 社員全員が・・・
この ↓ 波の中に・・・
jasmineは子供の頃から釜石に住む伯父に、三陸沖地震の津波の話を聞かされていた
海岸にあった数メートルもある大きな石が、津波の後、山の頂上に移動していたとか
波が数メートルもの高い壁になって目の前に迫ってきたので命からがらにげたとか
津波はあっという間にもの凄い速さで迫ってくるから迷わず逃げなければダメだとか
何度も繰り返し聞かされていたので、体験した事は無くても津波の恐さは十分知っていた
伯父から、揺れたら津波は数分でやってくるからとにかく大急ぎで高い所に
少しでも早く逃げるように言われていたので
社長の奥さんがどんな顔をしようが、もう後ろは振り向かない
急いで駐車場へ走って行き、背中に背負ったバッグから車のキーを取り出しエンジンをかけ
猛スピードで走り出したjasmine
所が、道路が陥没していて背後に ↑ この波が迫ってきているだろうに前に進むことができない
陥没した道路の向こう側に居る軽トラも呆然とこちらを眺めている
しょうがないので、この ↑ 波と平行してしばらく走り次の曲がり角で道路が走れるか見ると
大丈夫そうだ!
さっき前方に居た軽トラも同じように道路が走れるのを確認してこちらへやって来る
『おじさんなにしてるの! どうして津波の方向へわざわざ向かっていくの
危ないよ!ダメだよ!』と心の中で叫びながらすれ違う
家族の元へ行くのだろうか・・・
どうか助かって欲しいと願いながらも、jasmineは走る!
少しでも海から遠ざかる為に!
カーラジオからは女子アナが何度も何度も連呼している
「車の運転をしている方は直ぐに路肩に車を止め、キーは付けたまま揺れがおさまるまで安全を確保し
運転をしないで下さい! くれぐれも運転はしないで下さい!」と
jasmineは走る!この女子アナは、マニュアルどおりのことしか言えないのか!
安全なスタジオ内からでは海の危険さが想像できないのだろうか?
相変わらず強い揺れが続いている、運転していてさえ揺れがはっきりわかるほどの強い揺れが
数台の車が路肩に車を停め、車内でラジオを聴いているようだ、揺れがひどいせいか
ハンドルにしがみついている人もいる
『みんな何してるの! 早く走って!ここから逃げなきゃダメじゃない!こんな所に車を停めておいたら
津波にさらわれてしまう! 危険だから早く逃げなきゃ!』
心の中でそう叫びながらも一台一台に声をかけている時間は無い
道路はひびが入り、所々陥没していたり、水が流れ出している
一刻も早くこの海岸近くの道路から内陸部の道路に入りたいのに、目の前を走るごみ清掃車は
50キロ走行の道路を30キロでのろのろ運転
イライラするけど、対向車が多くて追い抜くこともできない
そうこうしているうちに、津波到達時間の3時になってしまった。
しかも、その時jasmineがいた場所は、後に市内でも一番多くの津波による犠牲者が出た場所
信号が全部停電で止まっているので交差点で数台ずつ交互に譲り合いながら走るので
自分の順番が来るまで停車している間に津波到達時間になってしまったのだった
海岸から3キロ地点まで、津波は何分で到達するんだろう
考えると恐怖でいっぱいになる
今こうしている間にも背後には津波がもの凄い勢いで迫ってきているに違いない
その時、ラジオから、緊急速報が流れ
「3時の津波到達時間が10分遅れ、3時10分になりました。みなさんできるだけ早く海岸から離れ
高い所へ避難してください」
この時助かった!!と思った
10分で国道まで出よう!あそこなら道路が高くなっているから何とかなるだろう
そして自分が左折できる順番が来てからは、90キロで飛ばした国道目指して!
前後の車も同じスピードで走っている、みんな必死なんだ
でも、信号が無い交差点に差し掛かるとやはり譲り合いながら走るので停まっている時間が長い
みんなの この冷静さがありがたい、誰一人として暴走するドライバーがいないのには驚いた
その間も揺れは激しく、頭上で信号機や電信柱がユラユラ揺れて、今にも倒れてきそうで本当に恐怖だった
停まっている自分の車もしっかりブレーキを踏んでないと前後に揺さぶられる 恐怖だった
道路の段差とひび割れ箇所はどんどん増えていく気がするが、めげてはいられない、どんな段差も乗り越えて
とにかく走り続けなくっちゃ家に帰るまで、何があってもとりあえずは家に帰らなくっちゃと思った
そう強く思わないと恐怖で涙があふれてきそうで、そうなったら今度は恐怖の津波に自分が飲み込まれそうな
気がして必死だった
そして津波到達時間の3時10分にはだいぶ国道近くまで走りついたが、国道に出る交差点は信号があってさえ
事故が絶えない場所なのに、停電で信号がとまってしまった状態でどうやって国道に出たらいいんだろう
そんな目の前の恐怖を予測しながら走っていくと大きな交差点のせいか信号がついている。ありがたい
こんな地震で大変な時に、この信号機を制御している人がいるんだ
その人だって直ぐにでも家に帰りたいだろうに、感謝しながら交差点を渡ると今度はすごい渋滞
その後も信号の無い交差点を何箇所も通ったけど、みんなの譲り合いの精神のすばらしさに感動するほどだった
仙台人!素晴らしいじゃないか!
家にたどり着く頃には身も心も疲れ果てて、半べそ状態で地割れした道を走り続けたjasmine
jasmineの駐車場には近所の人が集まり敷物を敷いて、皆で泣きながらへたり込んでいた。
相方君が泣いている人をなだめているのが見えた
直ぐに車を降り、相方君の元へ駆け寄ると、『ティンコロリンは車の中に非難させたから』と指差す
振り向くと、運転席の窓をかきむしりながらこちらに向かってピョンピョン跳ねているティンコロリンがいた
元気そうなのでホッとした~
恐い思いをしたのがかわいそうで、いっぱい、いっぱいナデナデして抱きしめたら、自分も恐怖が和らいだ
その後、恐る恐る家に入ってみると、水浸しになっている場所もあり、リビングは見事なくらいガラスの海になっていた
ティンコロリンはjasmineの部屋に居たんだけど、箪笥がドアをふさいでしまい、開けられなくなったため
相方君のお友達が助けに来てくれて、ドアを逆に開けて(壊して)ティンコロリンを助け出した為
今でもjasmineの部屋のドアは体ひとつ入るのがやっとの逆開きで閉まらない状態のままなのだ
この日はず~っと揺れがひどくて、恐怖でみんな家に入ることができず、みんな駐車場の車の中で
ひと晩過ごしたんだけど、あまりに揺れるので、背後の家が倒れてくるんじゃないかと思うと
恐怖でおちおち寝てもいられないjasmineでした。
相方君も眠れないらしく、懐中電灯を持って家の中に入り込みどこからかお酒を見つけ出してきて
『このままでは眠れないから』と飲んで寝ていたけど、眠れない様子だった
夜が明けても揺れがおさまらないせいか、誰も家に入ろうとする人がいない
でも、電気もガスも水道も使えないから、暗くなる前に少しでも家の中を何とかしなくちゃと思い
ティンコロリンを車の中に残し、相方君と家に入り割れたガラス類の撤去を始めるが
揺れるたびに、悲鳴をあげて家から飛び出すこと何度も・・・
それもうちだけじゃなくご近所みんないっせいに飛び出してくるのだった
この日、今までに無いくらい夜が迫ってくるのがとても恐怖に感じたjasmineでした
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